大友ディレクター
産休育休ふりかえり ~オムツを替えながら考えたこと
ディレクターのオオトモ(28)です。
昨年1月に男の子を出産しました。
1年ちょっと育休をいただき、春から復帰予定です。
テレビ業界に興味がある女子の皆さんは、制作会社で育児しながら、働けるの?と不安に思っているひともいるかもしれません。正直、今のわたしも、不安でいっぱい。復帰後のことを考え始めると、心配ゴトが溢れてきます。
ですが、一方で、働く女性の在り方が転換期にきているご時世、試行錯誤させてもらえるのも、面白いかもしれない、とワクワクも感じています。
そして、もしかしたら育休の経験がいかせるかもしれない。
そこで、自分の備忘録も兼ねて、妊娠出産を経て体感した3つの『気づき』を綴らせていただきます。
我が子が先生?
寝返り、つかまり立ち、ひとり歩きと猛スピードで様々なことをマスターしていく息子。ですが、毎日、観察していると、成長は一朝一夕ではなく、必要なステップを踏まねばならないんだと気付かされます。
例えば、対象物を指さすアクション。うちの子は、
①私のマネをしてスマホを一本指でさわる(指をたてる練習)
②一本指でわたしの鼻の穴につっこんでくる(対象物を正確に指す練習)
③ようやく大好きなアンパンマンを指させるように
着実にステップを重ねていく息子を見ていると、なんだか自分がもう一度「生き直させて」もらっているような感覚になり、「good innovation」には、日々の努力が肝心だよね、と顧みさせられたりします。他にも、子どもに教えてもらうことが、山ほどあり、我が子は私の先生みたいです。
ドキュメント保活
社会系ドキュメンタリーをやりたいとか言って入社したくせに、正直、今まで苦労せずに生きてきた、あまちゃんです。しかし、妊娠して待っていたのは、待機児童問題…!とうとう社会問題の渦中に巻き込まれてしまいました。
当初は、夫も私も、実家が遠方だし、フルタイムで忙しいから、なんだかんだ入れるだろと思っていたのですが、調べ始めたら、そんな甘いものではありませんでした。住んでいた区は…
●区が認定する認可園に入るのは、第1子1歳枠だと、実家遠方フルタイムでも、かなり厳しい。そもそも実家遠方の優遇はナシ!
●0歳4月入園ならまだ入れる確率も上がるが、1月生まれなので、まだ首も座っていない生後2ヶ月そこらで入園しなければいけない。しかも、もし認可園に入れたら、親は1ヶ月以内に復帰しないと入園取り消し。
●通える範囲の無認可園に片っ端から問い合わせ、申し込むも、どこも4月から通える確約とれず。100人近く待っている園も…
ある無認可園は、電話で一斉申し込み、先着順だったのですが、申し込み日の定時に電話をかけても全然繋がらなくて、子供が泣いているのに、あやせず、100回以上もリダイヤルしているとき、「何やってんだか…」とすごく子供に申し訳なくなりました。(しかも、2時間後ようやく繋がったと思ったら、枠はとっくに埋まっていた…)
結果的に、その後、我が家は引っ越しをして、区を移動しました。引っ越し先の区は以前から保育園の拡充に力を注ぐところだった為、どこかには引っかかりそうです。(たぶん…)
住んでいる区や、雇用形態によっては、保育園に入れず、仕事をやめざるを得ない女性がたくさんいます。それまで、積み上げてきたキャリアをナシにするのは、本人にとっても、企業、社会にとっても大きな大きな損失だと思います。しかし、ハード的に保育園の数に限界があるのも分かります。
だから、育休を3年とれる会社を増やしたり、ベビーシッターなどのサービスに補助金を出したりする流れが、広がることが現実的な策なのかしらと思います。
そんな女性のキャリアと育児の問題にぶつかれたのは良い勉強になりました。待機児童問題は、当事者が毎年入れ替わるため、経験則がつみ上がらず、なかなか解決まで至らない社会問題なのだそうです。
今後もアンテナを貼り続けたい問題です。
超絶カワイイ我が子と離れてまで働く意味
復帰したら、1歳の子を10時間も預けることになります。本当に後ろ髪をひかれる思いだと思います。だからこそ、そうまでして、自分が何のために働くのか、自分なりの考えを持って挑まないと、仕事も育児も半端になってしまいそうです。仕事は、勿論お金のためでもあるし、自己実現の側面もあります。
でも、何より、今の私にしっくりきた理由…
書きますよ、笑わないでくださいね。
子供と一緒の時間を削ってまで、働く意味…それは…!
『わたしがつくる番組は、巡り巡って息子が生きる世界が少しでもよくしている!』‥ハズだから。
セカイ系みたいで、めちゃくちゃ恥ずかしいですが、こう思うと一番しっくりきました。
偉そうに書きましたが、きっと今後、こどもが熱を出したり、夜泣きされて超寝不足になったり、その都度、自分が働いている意味について悩むでしょう…。でも、わたしの上司、先輩、同僚たちは、自分の人生を真剣に相談できる人がほとんどです。社交辞令ではなく、本当にそう思っています。
そんな恵まれた環境の中で、我が子を何より大切にしながら、やるからには、いい仕事をしたいと強く思います。
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